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a chorus line



兵庫県立芸術文化センターで上演された
「コーラスライン」を観にいってきました
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主役との位置をわけるため
リハーサル時に舞台にひかれる一本の白い線、コーラスライン
ラインから前にでることを許されないバックダンサーたち
そのバックダンサーを選考するオーディションで語られた
ダンサーたちの過去や心に抱えている苦悩の告白によって
物語は進行していきます

この作品には特別な思い入れがあります

2006年に19年ぶりにBWでリバイバル版が再演された際
私はオリジナルキャストとして出演していた
Ken Alanさんのパフォーマンスを観るため
BWまで行きました

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                      右から3番目がken

Ken AlanはBWミュージカル「FOSSE」で
ダンスキャプテンを務めたこともあるトップクラスのダンサー
激しい中にもどこか優雅さやゆとりが感じられて
私は彼の踊る姿が大好きでした

どこまでもしなやかで
息を切らすこともないかのように自然な動きをするKenは
コーラスラインの舞台で
ちょっと変わり者のボビーという役を見事に演じていました
ところが

休みがちだったことが災いしたのか
(リバイバル公演ではけが人続出で
オリジナルキャストがフルで出演していることは稀でした)
オープニングからおよそ9ケ月後の2007年7月に
彼は契約を続けることなくコーラスラインの舞台を去っていくことに

この時オリジナルキャストの約半分が入れ替りました
日本人初オリジナルキャストとして選ばれた、
高良結香さんもこのときに降板となりました
役が決まった時、歓喜の涙を流し
希望にあふれていた彼らが
わずか数ケ月後には失業し
また1から他のオーディションの列に並ぶ境遇となったのです

非情なまでに厳しい世界
でもだからこそ
ブロードウェイでは常に
世界トップクラスの舞台を提供し続ける

ミュージカル「コーラスライン」でも
選考に伴う悲喜こもごもと同時に
仮に選ばれても明日どうなるかわからないという
ダンサーの置かれている不安定な状態が
きっちりと描かれています

「もし踊れなくなったらどうする?」との問いに
彼らはこう歌います


     明日に向かう、やるべきことは全てやったのだから
     悔やまない、愛のために捧げたことは


コーラスラインが時を越え愛され続けているわけは
物語の中のダンサーが
そしてそれを演じているダンサーたちが
いつはじけてしまうかわからない夢に対して
真剣に懸命に純粋に挑んでいる
その姿に心打たれるからでありましょう

フィナーレでは
選考にもれた人も合格した人も
同じように舞台用の衣裳を身にまとい
眩しいばかりのスポットライトを浴びながら
一人一人舞台に登場します

ダンサーなら誰もが1度は踏んでみたい
不朽の名作といわれる「コーラスライン」という舞台に
今この瞬間立てている喜びと誇りを
噛みしめながら踊る
出演者すべての方たちに
私は最大級の拍手を送りました

やっぱり感動したよ、コーラスライン



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                       Ken at Gerald Schoenfeld Theatre 2007

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by konekohaku | 2009-09-07 16:06 | movie・theater  

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