PAC 第35回定期演奏会



兵庫芸術文化センター管弦楽団 の定期公演へ行ってまいりました


リンク先にもあるように
兵庫芸術文化センター管弦楽団、略してPAC(Hyogo Performing Arts Center Orchestra)は
阪神淡路大震災から10年後、
壊滅的な被害を受けたこの地で
文化復興のシンボルとして建設された兵庫県立芸術文化センターの
専属オーケストラとして設立されました

佐渡裕芸術監督の指導の下
世界各地で行われるオーディションにおいて才能ある若者を集め
高名な指揮者・ソリストとの共演や舞台経験を通じ
プロとして世界に通用する音楽家を育てるという
アカデミックなコンセプトを持ち合わせた
非常にユニークなオケであります

発展途上にありますので
一流オケの実力には及びませんが
経営面のみならず
団員の音楽的成長に
聴衆の存在というものが不可欠で
クラシックを楽しむために足を運ぶ聴衆と
聴いてもらうことによって実力を伸ばしていくオケとの
持ちつ持たれつの良好な関係が
より顕著に保たれている楽団なのではないかと思います



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ちょっと前に「オーケストラ!」という映画を見ました

何年もプロとしての演奏活動から遠ざかっている上に
リハもしないでぶっつけ本番で演奏会に臨む団員たち
(ヤマ場の曲はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲)

チューニングの時から目(耳?)も当てられないような
酷い状態だったにもかかわらず
ソリストのヴァイオリンが入るや否や
その音に呼応するかのように
あり得ないほど
オケが美しく鳴り始めます

それには訳があって
ーネタばれになるので詳しいことはここでは省略したしますがー
ある共通の記憶に纏わる絆により
指揮者、団員、ソリスト
すべての人の気持ちが
一瞬のうちに調和したことにあります

過去の哀しい歴史との対極にある
人々の精神的調和を
音楽という手段を使って表現するという
なんとも感動的な映像でありました

実際の音がどうであったかは別として
あのホールでその演奏を聴いていた人々には
映画で表現されていたとおりの美しいハーモニーが
心に響いたのではないでしょうか

紛れもなくあの演奏会は
支える者、演奏する者、聴く者の心が一つになった
「いい演奏会」であったでしょうし
社会という大きな枠の中で生きる人々の
目指すべき姿を象徴していたのかもしれません




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PACの定期演奏会もまた
私はいつも「いい演奏会」であると感じています

実際、その時の出来不出来にかかわらず
観客の多くの方が満足し
何かしら熱いものを感じつつ
会場を後にされているように思います

演奏後「よく頑張った!」と言わんばかりに
満面の笑みで団員を讃える指揮者
それを受け満足気な表情の楽団員
そして惜しみなく拍手を送る観客の姿

ホール全体を包む温かい空気が私は好きです



今回のプログラムは

ショスタコーヴィチ 交響曲第9番

バルトーク 管弦楽のための協奏曲

アンコール:

シベリウス 付帯音楽『クオレマ』より“鶴のいる情景”

指揮はオッコ・カムさんでした



新コンミスの舞台出入りの際の
まだ慣れていない様子が初々しく微笑ましい
軽やかで瑞々しい印象の演奏会でした
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by konekohaku | 2010-06-13 19:56 | music  

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