king lear



「ナショナル・シアター・ライヴ2014 リア王」を観に行ってきた。


b0148547_22392231.jpg




演出:サム・メンデス 原作:ウィリアム・シェイクスピア
出演:サイモン・ラッセル・ビール、スティーヴン・ボクサー、トム・ブルック
字幕監修:柏木しょうこ

アカデミー賞受賞監督のサム・メンデス(『アメリカン・ビューティー』)が、
シェイクスピア原作の舞台に挑む。
高齢で引退を決意した王は、国を3人の娘に分割して譲ることにする。
言葉巧みにリア王に取り入ろうとする長女と次女とは違い、
三女は率直な物言いで王を怒らせてしまうが、長女と次女には裏切られてしまい・・・。
(公式HPより)


英国で上演された舞台の映像化。映画館にて。

サム・メンデスの演出が巧い。
背広にワンピース、セットも現代風にアレンジされているが
話が進むうちにそういったディテールへの意識はかき消され
シェークスピアの描く精神世界が、時代や背景をこえた普遍性を
湛えていることを際立たせていた。
いや普遍的というよりは、結局人間というものは大昔からちっとも
変わっていないんだということを妙に納得させる。
小さなコミュニティを構成する、様々な思惑や個性を持つ登場人物。
どこにでも起こりうる家族の問題。
こうやって書くとまるで「アメリカン・ビューティ」。
きっとメンデスの得意とするところなんだろう。

主役のサイモンさんはリア王の言動を狂気ではなく
認知症(レビー小体型認知症)の症状として役作りされたそうだ。
その解釈の是非は別として、私も見ていてリア王の短絡的思考や癇癪は
「老い」がそうさせているのではと、知らず知らずのうちにこれからの自分自身に重ね
身につまされながら鑑賞していた。
若いころは冷酷と捉えていた人たちに共感するところも。

「すべてを失った人の話」、メンデスはそう言っている。
人生は喪失の連続だと、私も思う。
救いがないが故のリアリティ。
道化の扱いが面白かった。
(で、やはり字幕付きは有難い!)



[PR]

by konekohaku | 2014-08-25 06:33 | movie・theater  

<< 2014年8~12月に観たもの patina miller >>