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ルパン三世―王妃の首飾りを追え!/ ファンシー・ガイ



昨年の10月に東京の日生劇場で宝塚雪組の「伯爵令嬢」を観たのだった
早霧せいなさんと咲妃みゆさんのトップ(プレ?)お披露目公演だった

副題は「ジュ・テーム きみを愛さずにはいられない」、
細川智栄子あんど芙~みん さん作の同名少女漫画を舞台化したものだ

脚本・演出は生田 大和さん
ちょっと前に生田さんの作品で不愉快な思いをしたことがあるので
全く期待せず観たこの舞台、
蓋を開けてみたらとんでもない名作(迷作?)だった!

壁ドン
ベッドに無理やり押し倒し
好意を持つたびに流れる「ジュテ~ム」のメロディ、
3度海で遭難するも3度とも奇跡の生還
記憶喪失によって生じる三角関係
信頼していた人からの裏切り
根拠に欠ける逆恨み
突然の和解

などなど
宝塚の舞台はそもそも見慣れていないとかなり独特だが
見慣れた客席からも思わず失笑(いい意味の!)が漏れるほど
劇画そのままの、現実ではちょっとあり得ない世界が展開された

そして一難去ってまた一難、次々と現れる障壁を乗り越えた二人が
最後に真っ白のウエディング衣装を纏って登場したときには
まさかまさかの感涙、ほとんど嗚咽しそうに

いやもう最高に楽しい舞台だった~
熱演を見せてくれたジェンヌさんたちに心から拍手!
これまで散々いろんな舞台を観てきたけれど
こんなに幸せな気持ちになったのは初めて!

一緒に観た友人、業界関係者の方と
席を立って
1階のフロアを出て
エスカレーターに乗って
劇場を出て
車を停めてあった駐車場に向かう路上でもまだ
3人とも笑いを抑えられず

「いやいやいやいや~(笑)」
「極めましたね」
「ここまでいくと天晴れですよね!」

人によっては駄作、とバッサリ切り捨てるかもしれないけれど
私にとっては「駄作の中の傑作」
もうどれだけ幸せな記憶だったことか!!!
(観劇後数日間、恥ずかしながら幸せが止まらない状態になった(笑))


前置きが長くなりました

で、今回の公演は「伯爵令嬢」で見事なコンビぶりを見せてくれた
トップ二人(早霧さん、咲妃さん)の正式なお披露目公演


【ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!】

街中に貼ってあるポスターを見て
普段何も言わない娘が

「あれはあかんで」
「何が?」
「あの次元はないで」

そう、アニメの実写版ってまず視覚的に難しい
ましてや宝塚となると若いお嬢さんがそれらしく扮装しなければならないので
違和感は当然のこと

しかししかし実際観てみると
普通に面白い舞台だった

ルパンを演じた早霧さんは
ぎりぎりの線までひょうきんさを表現
彼女の明るいキャラにぴったりだね
あのガニ股歩きをしてもなおカッコよく見えるのは
長い脚とダンスで鍛えられた全体的なラインと
身のこなしの美しさがあってこそなのだろうなぁ

銭形警部を演じた夢乃 聖夏さんも安定の面白さ
退団されるそうですがもっといてほしかった!


【ファンタジー・ガイ】

花組から異動してきた望海 風斗さんの歌が素晴らしい
逸材ですね、彼女は
せっかくのお披露目公演なのに
望海さんの存在感がありすぎて早霧さんは割を食っちゃったかな

通常トップさんが誰よりも目立つように宝塚マジックを作動させるはずなのに
今回はトップさん向けのライティングは地味
衣装も地味、さらに色のセンスが悪い
演出も微妙
で、組の頂点に立つものだけに与えられる栄光みたいなもんが
伝わってこなかった

早霧さん自身はダンスも素晴らしく、
ちょっと難ありと言われている歌もすごく頑張ってはったのに

娘役トップの咲妃さんも
「伯爵令嬢」では会場中を虜にしてしまうほどチャーミングだったのだが
今回見せ場が少なく彼女の魅力を引き出せず

全体的に華やかさに欠け
新トップコンビの「お披露目公演」という印象は薄かった
ファンにとっても消化不良を起こすショーだったのではないかと思う

by konekohaku | 2015-01-15 20:10 | movie・theater  

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