2015年 10月 18日 ( 1 )

 

Hamilton


最後に観たのは「Hamilton」。

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アメリカ建国の父の一人であるAlexander Hamiltonの生涯を描いた作品。脚本、作詞、作曲は「In the Heights」で有名なLin-Manuel Miranda、ハミルトン役も彼自身が演じています。

独立戦争時に頭角を現したハミルトンはジョージ・ワシントンからの絶大な信頼を得て初代財務長官に就任しドル硬貨の発行や徴税システムなどを構築、合衆国憲法を起草し、傑出した才能で今日のアメリカの基礎を築きました。しかしながらその生い立ちは決して恵まれたものではなく、建国の立役者たちが揃いも揃って名門出身だった中、私生児であり西インド諸島からの移民であった彼は異色の存在で、生涯その出自のことを周囲から言われ続けていたようです。(詳しくはwikiやロン・チャーナウの「アレグザンダー・ハミルトン伝」などご参照ください。)

元々ブロードウェイミュージカルは移民の流入とともに発展し、「主流」とされるものから弾かれた、というか入れてもらえなかった人たちが作りあげてきた文化、作品には今も人権の主張が見られ反骨精神が流れて続けています(キャバレー、コーラスライン、ウィキッド、、、、ほとんどがそう)。本作品もまさにその延長線上にあり、ニューヨークへ移住してきた歴史的ヒーローの生涯をブロンクス(マイノリティが多い)発祥のラップミュージックにのせ、配役をジョージ3世以外、黒人またはヒスパニック系で固めて表現。作者であるリン・マニュエル・ミランダの目の付け所、そして切り口の鮮やかさにはあっぱれというしかありません。

ハミルトンは女性スキャンダルを巻き起こした初の政治家でもあり、生涯心の支えとなった妻とその姉、ハミルトンを嵌めた女、3人の女性の登場が等身大の人間ハミルトンを多層的に描く重要なファクターになっていました。高潔な精神を持ちながらも攻撃的になりやすいという弱点もあったハミルトン、それは相手側に潜む差別的な目線に対するコンプレックスからくる反動だったのかもしれませんが、それだけに敵の多い彼を包む家族愛が観客の心を捉えます。

キャストは皆素晴らしく正直主役のリンが歌も踊りも一番見劣りした(笑)。客席には年配のカップルが多く女性で泣いている方が多かったですね。アメリカの繁栄を導いた偉人の、プライドをかけた最期に特別な思いがあるのかもしれません。
さて来年のトニー、何部門獲得しますかね。



cast:
Lin-Manuel Miranda
Phillipa Soo
Leslie Odom, Jr.
Renée Elise Goldsberry
Christopher Jackson
Daveed Diggs
Okieriete Onaodowan
Anthony Ramos
Jasmine Cephas Jones
Jonathan Groff


Production Credits:
Thomas Kail (Director)
Andy Blankenbuehler (Choreographer)
David Korins (Scenic Design)
Paul Tazewell (Costume Design)
Howell Binkley (Lighting Design)
Lyrics by: Lin-Manuel Miranda
Music by: Lin-Manuel Miranda
Book by Lin-Manuel Miranda
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by konekohaku | 2015-10-18 09:42 | NY