カテゴリ:movie・theater( 86 )

 

満月の人よ


先週トムプロジェクトによる「満月の人よ」を観に行った。


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作・演出/東憲司
出演/村井國夫 山崎銀之丞 藤澤志帆 岡本麗
@池袋あうるうぽっと


天狗伝説の残る貧しい山村、
独り暮らしの老いた鳥もち職人の元に
27年前男と蒸発した妻が突然帰ってくる。
真相を知りながらも「神隠しからお天狗様が妻を戻してくれた」と喜ぶ老人。
知らせを聞いて帰省したものの、母をなかなか受け入れられない息子。
自分の存在を消してしまいたいと神隠し伝説に導かれるように迷い込んできた女性。

いつものダンデイさはどこへやら、
人生に予期せず起きた出来事を大きな懐で受け入れる、人のいい老人を演ずる村井さん。
そんな過去を持ちながらも屈託ない底抜けの明るさと気風のよさで周りを魅了する妻役の岡本さん。
ふてくされながらも抜群のユーモアとタイミングで絡んでくる息子、山崎さん。
3人の絶妙な掛け合いに客席からは始終笑い声が。

日本の役者さんのレベルの高さよ。なんて良質な舞台なんだ!

訳ありの女性を演じた藤澤さんも清涼剤のように爽やかでとてもよかった。

再会の喜びに溢れた満月の夜、「お天狗様、もう誰も隠さないで」と懇願する姿に
それまでの老人の壮絶な「孤独」をみた。
老人の背には紐帯の重みを浮かび上がらせるかのようなまん丸なお月様。
うーん、なかなかいい作品だったよ。
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by konekohaku | 2015-04-28 06:47 | movie・theater  

Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)



『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を観ました。


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ストーリー:
かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。
~シネマトゥディより


内面の抑圧や混迷を暗示するかのような狭く入り組んだ舞台裏、
途切れのない時間を示すワンカット仕立て、
精神状態にリンクし効果的に流れる音楽、
超自我の顕在化であるバードマンの存在。

驚くほど面白かった!

随所にパロディを織りこんだブラックコメディでありながら(エドワード・ノートンが殴られるのを久々に観たw)、奇妙なSNS社会VS生身の人間、演者VS批評家、ドラムVSオーケストラ、(流れの上での)対立VS共鳴など、コントラストと緩急のつけ方が見事で詩的なんですよね。
カーヴァーの短編『愛について語るときに我々の語ること』が作品の芯に据えられている上に
シェークスピアの台詞(ちゃんとオチつき)や、チャイコフスキー5番などの美しいクラシック音楽がスパイスになっていることは間違いないでしょう。

主役を演じたマイケル・キートン、あの演技でオスカーを逃したとは。
エディ・レッドメインも素晴らしかったですが、私ならキートンさんに票を入れます。
そしてエマ・ストーンがやはりいい。
彼女の魅力はどんな汚れ役を演じても透明感が失われないところ。
ほんと好きだわ、あの女優さん。

しかし最近、観る側の力量を試されるような作品が増えてきましたね。
2年前オスカーを受賞した「アーティスト」などもそうでしたが
この作品はまさにといった感じでした。
まあ名作というものはいつの時代もそうなのかもしれませんが、いつまでついていけるやら、、

そうそう、長回しに見えたカメラワークも最後に明確な意図をもって一度切られます。
その後のシーンをどう解釈するか?
あの笑顔の意味は?

ビシバシ飛んでくる才能の矢に相当射抜かれました。
まだちゃんと把握できていない箇所もあるのでもう一度観たいです。
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by konekohaku | 2015-04-21 07:40 | movie・theater  

イミテーション・ゲーム


刑事(ロニー・キニアさん!)による尋問、隠されていた過去の吐露、回想。
どこかで観たことがあるなーと思ったら、映画「アマデウス」と構図がよく似てる。
となるとどうしてもあの傑作と出来を比べてしまうので
他の手法で描いてもよかったんじゃないかしら?
人物描写において若干一貫性に欠けるようにも見えました。

狡兎死して走狗烹らる、任務に伴うその後の生活の不便や
後の同性愛者ということでのあの扱いには言葉もなく。
多様性は種の存続の生物学的戦略、
意味深いとはいえ死後に名誉回復してもねぇ。

カンバーバッチさんについては安定の演技力だったけれど
顔の長さと彫の深くないところが自分を見ているようで時々辛い(笑)。
少年時代を演じた子がよかったなぁ~。
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by konekohaku | 2015-03-24 21:47 | movie・theater  

イントゥ・ザ・ウッズ


高い評価を得ているミュージカル作品の映画化。
夢いっぱいのディズニー映画と思って楽しみに観た方に
ウケが悪いのはよくわかります。

舞台ではこの奇想天外な展開もテンポよく、
ウィットに富んだセリフや
膨大な数の韻を踏んだ完成度の高い楽曲、
メタファーから類推される真の物語のメッセージ性などで
非常に心打つ作品に仕上がっている訳ですが、
これだけ映画の評判が悪いのは
監督の手腕に問題あるのか、ターゲットを間違えたのか、難解すぎるのか。

ディズニー作品として世に送り出したことには私は拍手。
よくやったなーと思いました。
これまで徐々に兆しはありましたが、これが完全に転換点となるでしょう。
(まあ逆戻りもありかもしれませんが。)
そもそもこの映画、ディズニーのコンセプトである
「幸せを願う」という姿勢に反する作品ではないですからね。


Mr. Sondheim’s great song “No One Is Alone” is a double-edged lullaby.
It acknowledges that everyone is ultimately alone,
although the shared understanding of that isolation makes life bearable.
(The New York Timesより)

いくたびかの喪失、困難を乗り越えて人生を全うするのは本当に大変なこと。
私もここ数年ひしひしと感じています。

この作品の肝でもある混沌、
私たちは道半ばで行く先を見失い頼りにしていた人とも引き裂かれ途方に暮れたとき
どうやって家に戻ればいいのでしょうか。

名曲「No More」がカットされていたのは残念でしたが
最後は楽曲の大いなる寛容と茫洋たる優しさに
抱擁され、背中を押され
目頭を熱くしながら劇場をあとにしました。

人生が輝きに満ちている若い世代や
自分を完璧な人間と思っているタイプの人には
向かない作品かもしれませんが
人間の弱さや愚鈍さを知り、世間をよくご存知の方には
きっと心に響く作品だと思います。


作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
脚本:ジェームズ・ラパイン
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by konekohaku | 2015-03-24 21:29 | movie・theater  

博士と彼女のセオリー


我が家には極端な理系人間が2人いるので
ホーキング博士関連の本やら映像やらには
普通の家庭より目に触れる機会が多かったように想像する。

しかし私生活のことはあまり知らなかった。

そうやったんや
と、馴染みがあったからこその鑑賞後の第一声。
そうそう、この映画は我が家の理系人間と観たのだった。

ジェーンさん(前夫人)の献身的なサポート、
決して憎みあうわけでもなく別れていくご夫婦の姿に
正面から人生の重みをもって
「あなたなら添い遂げられますか?」と問われている感じがして考え込んでしまった。

これは私たち夫婦だけかもしれないけれど・・・
長いこと夫婦をやっていると 
もう惚れた腫れたのラブラブした感情など消滅していて
(初めからあんまりなかったか?!)
しかし所謂普通の人が考える恋愛感情とは別の、
長きにわたりパートナーとして
少なからずお互い精神的に依存し合ってきたもの同士の間にしか存在しえない、
信頼や人間愛とでもいうべき目に見えない静かな絆があり、
ずいぶん前になるがそのあたり、
ノエルカワードの「秘密はうたう」というストレートプレイが
幾重にも捻りを加えつつも
熟年夫婦の本質を鮮やかに捉え表現していて心底感動したものだった。

今回の映画は(前夫人の手記が元になった作品だからかもしれないが)
たとえ夫婦という形態を解消した後も尚、
その絶対的な絆やこれまで二人で過ごした「時間」は
博士や前夫人の中に確かに存在し、
まあ、それは当たり前のことなんだが
後味の悪い別れ方などをすると消しゴムで消すかのごとく
それまでの幸せな記憶までなかったことにする中、
物理学的な「過去に向かう時間の矢」にも絡めて
ゼロになることはないと示したところがとても粋だった。

ALSという病気については親戚に同じ病の者がいたので
ご本人もご家族もどれだけ大変で過酷であるかは私なりに理解しているつもり。
前夫人の存在が博士の生きる原動力になったという事実、
ホーキング博士がこの映画にGOサインを出し、
試写で涙を流されたという事実、もうそれだけで十分だよね。
なかなかいい映画でした。
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by konekohaku | 2015-03-24 21:12 | movie・theater  

NTライヴ 欲望という名の電車 



「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という電車に乗り換えて、六つ目の角で下りるようにいわれたのだけれどー

昔々同名映画の冒頭でのこのセリフで心を鷲掴みにされたのだった。
どうやら私はメタファーで綴られる物語がツボらしい。

字幕付きで一級の舞台が観られるこの企画、
今回はロンドンのヤング・ヴィック劇場での公演を収録したものだが、
解説ではやたら画期的な舞台セットを強調していた。
劇場の中央(観客席が周りを取り囲む)に組まれた主人公ブランチが身を寄せる妹のアパートは時々回転するのだけれど、これって日本の舞台でもやってたような。
まあいいや。

今回のこの作品の見どころはなんといってもブランチ役を演じた
ジリアン・アンダーソンに尽きるでしょう。
いやー素晴らしい。
もうどこからどうみてもジリアン流「ブランチ」そのもの。
感情、性格、声、しゃべり方、動き方、なにからなにまで一寸の隙もなく。
なんだか若作りして風変りで好感持てない女性でしたよ、ブランチさんて、ってな感じで
あの空間ではカーテンコールの時以外、ジリアン・アンダーソンさんは
存在しませんでしたくらいの勢い。

ブランチがそこにいるから、
これは移民の力に押されるアメリカの暗喩だとかなんとか、
そんなことには今回思いが至らなくて
彼女の一挙手一投足に注目していた結果
これまでの人物像が揺らぎ始めて
今回新たにとんでもない疑問が発生してしまった!!
「ブランチは本当に狂ったのか」

もうこれだからお芝居観るの、やめられない。
奥の深い作品です。

(昨年ケイト・ブランシェットがオスカーを獲得した
ブルージャスミンはこの作品が元ネタですね。)


演出:ベネディクト・アンドリュース
作:テネシー・ウィリアムズ
出演:ジリアン・アンダーソン、ベン・フォスター、ヴァネッサ・カービー
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by konekohaku | 2015-03-24 20:47 | movie・theater  

ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー


最近これを観たい!という生舞台があまりなくて
気が付けばTOHOシネマ通いをしている今日この頃。
印象に残ったものだけざざざざーっと。
(ネタバレに関しては全く配慮しておりません)



【ビリー・エリオット ミュージカルライブ ー リトル・ダンサー】


まだ日本のどこかで上映しているんだろうか?
もう一回観たいー。
ただただ感動、滂沱の涙。
なんて素晴らしい作品なんだ!

映画「リトル・ダンサー」のミュージカル版です。
ロンドンのヴィクトリア・パレス劇場で行われた公演を収録したもの。

演出・監督はスティーブン・ダルトリー。

ダルトリーが関わった作品は
9・11テロの被害者家族であれ
アウシュヴィッツの看守だったという孤独な女性であれ
イギリスの女王様であれ
炭鉱労働者一家であれ
自分とは全く違う環境・立場にいる、
ある意味特異な状況に置かれている人たちを描いているにも関わらず、
全くもってその言葉や心情に共感してしまう。
監督の人を観察する能力が長けているのに加え
その感情表現に誇張も嘘もないからなんだろうと思う。
度を越すほどの善人や善行になんて
共感できないもの(できないのかw)。

ただ舞台版はブロードウェイで観た時も感じたのだが
若干ドタバタしすぎているような。

もちろんダンスシーンには迫力があり、
また見どころもたくさんあって
舞台は舞台のよさがあるのだけれど
私は映画の方が好きかな。
無表情で色彩に乏しい寒々とした風景があるからこそ
人間の温かさが際立って見えるように思うんだ。
セリフも映画の方が好き。

しかし舞台ライブで主役を務めたエリオット・ハンナ君は素晴らしかった!
降板したんだってね、残念。
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by konekohaku | 2015-03-24 20:28 | movie・theater  

ゴーン・ガール



ニール・パトリック・ハリスが出演しているというので
映画「ゴーン・ガール」を観に行った。
監督はデヴィッド・フィンチャー


あらすじ~

ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け……。
(シネマトゥデイ)


中盤までは予想通り
後半はおおこうくるのかと意外な展開。

フィンチャーならではの観客を緊張感と意外性で惹きつけようとする手法は
悪くないと思うのだが(実際面白い)
そっちに重点を置くからどうも人物描写に細やかさが欠けていて
全体的な物足りなさは否めない。
薄っぺらく感じちゃった。

アメリカ社会の歪みを背景に、
形だけの夫婦の隠された実態をさらけだす、
ってのが大きな趣旨なんだろうけれど
若いころなら興味津々で観たかもしれないこの夫婦像、
この年齢にもなると青いな~、ふーん、って感じ。
しかし親の期待にずっと応えながら育ち
このような生き方しかできなくなった妻には共感できる点も。

で肝心のニールさんですが
ようこんな役引き受けはったな、というのが率直な感想。
彼は本当に才能がある人だけれど
残念ながらこの映画ではそれが伝わってこなかった。

ロザムンド・パイクさんはたぶん初めて見る女優さんですが
虫も殺さぬ雰囲気がとてもいい。
後半の変化はお見事でした!
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by konekohaku | 2015-01-20 22:13 | movie・theater  

ルパン三世―王妃の首飾りを追え!/ ファンシー・ガイ



昨年の10月に東京の日生劇場で宝塚雪組の「伯爵令嬢」を観たのだった
早霧せいなさんと咲妃みゆさんのトップ(プレ?)お披露目公演だった

副題は「ジュ・テーム きみを愛さずにはいられない」、
細川智栄子あんど芙~みん さん作の同名少女漫画を舞台化したものだ

脚本・演出は生田 大和さん
ちょっと前に生田さんの作品で不愉快な思いをしたことがあるので
全く期待せず観たこの舞台、
蓋を開けてみたらとんでもない名作(迷作?)だった!

壁ドン
ベッドに無理やり押し倒し
好意を持つたびに流れる「ジュテ~ム」のメロディ、
3度海で遭難するも3度とも奇跡の生還
記憶喪失によって生じる三角関係
信頼していた人からの裏切り
根拠に欠ける逆恨み
突然の和解

などなど
宝塚の舞台はそもそも見慣れていないとかなり独特だが
見慣れた客席からも思わず失笑(いい意味の!)が漏れるほど
劇画そのままの、現実ではちょっとあり得ない世界が展開された

そして一難去ってまた一難、次々と現れる障壁を乗り越えた二人が
最後に真っ白のウエディング衣装を纏って登場したときには
まさかまさかの感涙、ほとんど嗚咽しそうに

いやもう最高に楽しい舞台だった~
熱演を見せてくれたジェンヌさんたちに心から拍手!
これまで散々いろんな舞台を観てきたけれど
こんなに幸せな気持ちになったのは初めて!

一緒に観た友人、業界関係者の方と
席を立って
1階のフロアを出て
エスカレーターに乗って
劇場を出て
車を停めてあった駐車場に向かう路上でもまだ
3人とも笑いを抑えられず

「いやいやいやいや~(笑)」
「極めましたね」
「ここまでいくと天晴れですよね!」

人によっては駄作、とバッサリ切り捨てるかもしれないけれど
私にとっては「駄作の中の傑作」
もうどれだけ幸せな記憶だったことか!!!
(観劇後数日間、恥ずかしながら幸せが止まらない状態になった(笑))


前置きが長くなりました

で、今回の公演は「伯爵令嬢」で見事なコンビぶりを見せてくれた
トップ二人(早霧さん、咲妃さん)の正式なお披露目公演


【ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!】

街中に貼ってあるポスターを見て
普段何も言わない娘が

「あれはあかんで」
「何が?」
「あの次元はないで」

そう、アニメの実写版ってまず視覚的に難しい
ましてや宝塚となると若いお嬢さんがそれらしく扮装しなければならないので
違和感は当然のこと

しかししかし実際観てみると
普通に面白い舞台だった

ルパンを演じた早霧さんは
ぎりぎりの線までひょうきんさを表現
彼女の明るいキャラにぴったりだね
あのガニ股歩きをしてもなおカッコよく見えるのは
長い脚とダンスで鍛えられた全体的なラインと
身のこなしの美しさがあってこそなのだろうなぁ

銭形警部を演じた夢乃 聖夏さんも安定の面白さ
退団されるそうですがもっといてほしかった!


【ファンタジー・ガイ】

花組から異動してきた望海 風斗さんの歌が素晴らしい
逸材ですね、彼女は
せっかくのお披露目公演なのに
望海さんの存在感がありすぎて早霧さんは割を食っちゃったかな

通常トップさんが誰よりも目立つように宝塚マジックを作動させるはずなのに
今回はトップさん向けのライティングは地味
衣装も地味、さらに色のセンスが悪い
演出も微妙
で、組の頂点に立つものだけに与えられる栄光みたいなもんが
伝わってこなかった

早霧さん自身はダンスも素晴らしく、
ちょっと難ありと言われている歌もすごく頑張ってはったのに

娘役トップの咲妃さんも
「伯爵令嬢」では会場中を虜にしてしまうほどチャーミングだったのだが
今回見せ場が少なく彼女の魅力を引き出せず

全体的に華やかさに欠け
新トップコンビの「お披露目公演」という印象は薄かった
ファンにとっても消化不良を起こすショーだったのではないかと思う
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by konekohaku | 2015-01-15 20:10 | movie・theater  

モーツァルト!



2010年に初めてこの作品を観たときは
正直戸惑ったのだった

東宝版ウィーンミュージカルに初めて触れた頃で
そのドラマチックな作りに慣れていない私は
勝手の違う台所で夕飯の支度をするがごとく
頭が始終あたふたとして
よさがわからないまま終わってしまった感じだった(要領悪い、汗)

昨年、幸運なことに韓国で上演された新演出の同作品を観る機会があり
楽曲と、韓国キャストによるパフォーマンスのパワーに圧倒された

そして3回目となる今回、
ようやくこの作品と自分の心をしっかりと繋ぐことができたような気がする
35歳という、モーツァルトが生涯の幕を閉じた年齢でこの舞台から去る
井上芳雄君の迫真のパフォーマンスのおかげで、、、



キャスト:

ヴォルフガング・モーツァルト 井上芳雄
ナンネール  花總まり
コンスタンツェ 平野綾
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 香寿たつき
コロレド大司教 山口祐一郎
レオポルト 市村正親



井上君(母目線なのでそう呼ばせてください)の舞台に触れる機会は幾度もあったのだが
その演技力に心底感心したのはミュージカルではなく
「イーハトーボの劇列車」というストレートプレイでだった
東北のイケてない純粋な青年を生き生きと演じていて
実力のある人なんだなぁとその時驚いた

今回もまた、幾分高音部がきつそうだったけれど
歌に演技に日本人ならではの細やかな表現が織り込まれ
深みを感じさせる素晴らしいモーツァルトだった
役に成り切っているとはこういうパフォーマンスを指すのだろう
ほんといい役者さんになりはったなぁー

ナンネールの花總さん
とても評判のよかった前回のキャスト、高橋由美子さんと比べるとね~
という声がちらほら聞こえてきたのだが
高橋さんの演技をすっかり忘れてしまった私には(すいません)
花總さんの、無邪気な幼少期から苦悩を抱える大人へと変化していく様に
悪い点は見いだせず

コンスタンツェの平原綾さん
とても歌が上手かった、しかし 
コンスタンツェってモーツァルトの作品を後世へと繋いだ
かなり重要な人なんだけどその辺が伝わってこなかったのは脚本のせい?

男爵夫人、香寿たつきさん
韓国のシン・ヨンスクの歌が素晴らしすぎたのでどうかしら?と思って観たのだが
なんと表現したらいいのだろう?
慈しみを感じる歌、とでもいうのだろうか?
歌唱力がどうこうより包み込むような優しさにウルウルしちゃった

レオポルトの市村さん
前回は実は実はどうも演技が薄っぺらっく感じてしまったのだけれど
家族を持ち、親となられ、病気を克服された経験が役作りに影響されたのか
子への愛情と同時進行の苦悩がよく伝わってきて前回よりずっとよかった

大司教、山口さん
馬車に揺られて移動→トイレ休憩
もうここしか覚えてなかったくらい強烈に印象に残ったシーン、
今回も笑った~
膝が悪いようにお見受けしたのだけれど大丈夫かな?



しかし未だに謎なのがアマデが持っている「箱」
アマデ自身が神から与えられた「才能」なのだろうから
あれ、やっぱり要らんやんね?
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by konekohaku | 2015-01-14 20:00 | movie・theater