<   2012年 09月 ( 12 )   > この月の画像一覧

 

Martha & Claudio



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若き日のアルゲリッチとアバド
このCDを録音している時の写真らしい(1967年)
なんと美しい天才たちよ

クラウディオ・アバド&ルツェルン祝祭管弦楽団、
2013年来日とのビッグニュースを聞いて(公式発表はまだ)
嬉しさのあまりfacebookにあがっていた写真をひっぱってきた
「公開」になってたから貼ってもいいよね、ね?
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by konekohaku | 2012-09-20 22:36 | music  

aus 18




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一組の夫婦が
広い海岸線を前に
静かに座っていた

男の頭には白いものが目立ち
女の顔に浮かぶ陰影も
もう若くないことを窺わせた

夫婦が二人きりで旅をするのは
何十年ぶりのことだろう
いつも側にいた子どもたちは成長し
一人ひとりと離れていった

果てがないかと思われるほどの大海原を背景に
二人の存在は取るに足らないほどちっぽけに見えた




えらい世話になってしまったなぁ


思い出したように男が急に口を開く


・・・そうやね


こんな経験させてもらえるなんてなぁ


・・・うん


すべてはあの ㇾ から始まったんやなぁ


・・・・・




男は3年前に妻がアンケート用紙につけた
ㇾ点のことを言っていた

夫婦の娘が通う中高一貫校で毎年配られる
「ホストファミリーバンクに関するアンケート」

それまでの3年間「受け入れ不可」にチェックを入れ続けていた女は
用紙をにらんで考え込んだ

介護の必要だった父親は逝ってしまった
上の息子は大学の入学とともに家を出て、部屋数に余裕もある
去年やってきたやんちゃな子猫はずいぶん落ち着いてきて
誰かに怪我を負わせる心配も減った

これまで受け入れ不可の根拠としていたものが
その年にはすべて解消されていた

バンクだから登録くらいしてもいいか
話が来て条件が合わなかったら断ればいいんだし
安易な気持ちで
女は「受け入れ可」にㇾをつけ、提出した

学校からはその日の内に電話が入った

「ア・リ・ガ・ト・ウ・ゴザイマス~~!!!」

担当の先生の声は舞い上がっていた

中高合わせて約1000件ほどある家庭のうち
受け入れ可にチェックを入れたのは女の家だけだった



でたらめなようで
規則があるようで
抗うようで
たおやかなようで

波は寄せては返し
返しては寄せを続けている
そして最後は泡となって
消えていく

二人はまた口を噤み
黙って海を眺めていた

あたりが薄暗くなるとともに
冷えた風が吹き始めた

行きましょうか

よろけぬよう
踏みしめながら
二人は広い海岸を
再び歩きはじめた



おしまい
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by konekohaku | 2012-09-14 19:00 | Australia  

aus 17


Eとの別れは爽やかだった

朝の6時台に大学へでかけてしまうEの為に
その日私たちも早起きをした

3年前に彼女が日本を離れるときは
寂しくておいおいと泣いた
その時、私たちに家族にとってEは
手の届かない場所へ帰ってしまう
かぐや姫だった

しかし今回初めて訪ねてみると
オーストラリアは遠い月の世界などではなく
思っていた以上に近い国だった
夜に出発して目覚めたら
朝には到着しているのである

See you very soon!

私たちはしょっちゅう会う友人と駅で別れる時のように
笑顔でお別れをした

そう、
私たちはいつだって会うことができるのだ


TやLを学校に見送って
使わせてもらった部屋をできるだけ元通りの状態にした
ゴールドコーストに向けていよいよ出発する時間になった時
毎日一緒に遊んで仲良しになったビーグルのMにサヨナラをし
窓から見える景色を目に焼き付けた

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          次に会う時はずいぶん大きくなっているんだろうな



ゴールドコーストに向かう道すがら
時間の許す限りママはブリスベン市内を案内してくれた
Lの通う女子校(EもママもEのおばあさまも同じ学校の卒業生だ)
Tの通う男子校
Eたちがつい最近まで住んでいた家
間もなく建築がはじまる新しい移転先の土地

あ”-っ、案内したいところがいっぱいあるのに
時間が足りなーい!
すぐにまたオーストラリアに来るのよ!
次は新しい家に泊まってもらうからね!

ママほど豪快で面白くて魅力的な人に
そうそうお目にかかれるもんじゃない


嬉しいことにその日
ご子息の学校行事の関係で
ちょうどゴールドコーストを訪れていた
ママのもう一人の妹夫妻にお会いすることもできた


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              ゴールドコーストのカフェで



これで私の家族、みーんな会ったことになるわね!

本当に、たった4日間の滞在中にママのご両親、長兄一家、2人の妹一家
全員にお会いできたのだ

今回お会いした妹さんとママは一卵性の双子で
髪型と服装が違う以外は
しゃべり方から笑い方までそっくりだった
ご主人も格別フレンドリーな方で
短い時間だったけれど楽しくお話しさせて頂いた
是非日本に遊びに来てくださいとお誘いしたけれど
本当に来てくれるかなぁ
彼らの土地は何十エーカーもあると言ってらしたから
家が小さくてびっくりされるだろうな


ママは私たちが泊まるホテルのロビーまで送ってくれた
この4日間ママが私たちにしてくださった数々のご親切と
深い心を思うとさすがに涙が溢れそうになった
きっと私はママという、人そのものに感動していたのだ 
(その時の心境はこちら

ママの車が見えなくなるまで手を振り続けた
ありがとう、ありがとう、ありがとうと
何度も心でつぶやきながら

そしてその手をおろしたとき
私たちとE一家との夏の物語が終わりを告げた
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by konekohaku | 2012-09-13 19:00 | Australia  

aus 16


半日ほどヌーサの潮風と戯れたのち
ママの運転する車で
私たちはブリスベンに戻った

今日はE家で過ごす最後の夜
お世話になったお礼に
E一家を日本食レストランへ
ご招待することに

ちゃんとしたレストランに予約を入れておいてくれる?
私たちの申し出にEがチョイスしたのは
ゴルバチョフやジョン・トラボルタも訪れたという
SONO Japanese Restaurant(リンク先音が出ます)


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お店に到着すると
Eが押さえておいてくれた個室へ案内された

皆が上り框の上で靴を脱ぐので
あ、そこじゃないよ、と声をあげそうになったが
このレストランではそれがお決まりになっているようだ

そういえばEママが我が家で滞在した時
ブーツやハイヒールを畳の上に置いたり
脱いだ室内用スリッパを玄関の三和土に
きれいに並べたりしてはったっけ

靴を脱ぐという行為は知っていても
どこから内と外を分けるのか
そもそもどうして靴を脱ぐのか
そのあたりのことは
日本人じゃないと理解しにくい感覚なのかもしれない

部屋は床の間付の典型的な和室で
掘りごたつが設けられていた
Eの弟Tは始めて畳を見たようで
これ何?とびっくりしている

私の家にもこんな部屋があって
この上に綿入りのブランケットを置いて寝るのだと
と言ったらさらに驚いていた

そうそう、布団のデザインが芸術的で美しかったとママ

お布団の柄が芸術的か~
やっぱりよその国の人の目線って面白いな
朱色の生地に金糸の模様が施された、
かさ高くて邪魔で仕方ない嫁入り布団だが
こう言ってもらうとやっぱり嬉しい


その日注文したのは

お刺身盛り合わせ
握り寿司
やきとり
鍋焼きうどん
海鮮鉄板焼き
和牛ランプステーキ
天ぷら盛り合わせ
ギョーザ
・・・・


飲んだ飲んだ!
食った食った!

ここでもやはり日本の習慣や
今回の滞在で訪れた先の話などで大盛り上がり

明日にはまた
しばしの別れの時が来ることは
それぞれ脳裏の片隅にあったとは思うけれど
そのことに誰も気が付いていないかのように
笑顔の賑やかな時間が過ぎていった



レストランを出て
すぐ向かいにあるMax Brenner Chocolate Bar へ


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当初はここでデザートに
チョコレートピザなるものを食べるという予定だったが
さすがに皆満腹で
持ち帰りのチョコを買うに留まった


帰宅して
すっかりと慣れてしまった照明の少ないリビングで
買ってきたチョコを皆でつまんだ

ああ、今日が終わってしまう

甘くほろ苦い味が口の中に広がった
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by konekohaku | 2012-09-12 19:00 | Australia  

aus 15


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Noosa ヌーサ
Toowoomba トゥウンバ
Coot-tha クーサ

これらの地名は
アボリジニの言葉からきている

クィーンズイングリッシュを話す白人に覆い尽くされていようとも
この大地には今もアボリジニの息吹が其処此処に存在している
(エアーズロックのこともUluru ウルルと呼ぶ
Eの会話の中ではエアーズロックという呼称はでてこない)


Noosaという地名を初めて聞いた時
その音の響きに心が躍った
サンシャインコーストなんてお手軽な(失礼)名前より断然いい
(正確にはNoosaはサンシャインコーストの一部であり
Cooloola クールーラ、maroochy マールーチの間に位置する)

Noosa、なんて魅力的な名前だろう!
私は適当に語呂を合わせ作った、
オリジナルの魔法の呪文で遊んでいた子どもの頃のように
何度もこの独特な音色を持つ言葉を口ずさんでは
耳に届く響きに、ある種癒しのようなものを感じていた


ビーチはこじんまりとしていている
周りに巨大なホテルもなく
外国人観光客の姿もほとんどない

オーストラリアの人たちは
ゴールドコーストより
未だ観光地化されておらず
手つかずの自然がそのまま残るヌーサを好むのだそうだ
確かに来ている人の層に違いがある

入り江の感じは
ハワイで例えると
ハナウマベイに近いかな



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                     外周道路



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海岸に隣接してヌーサ国立公園があり
潮の音を聴きながら、または海を眺めながら
散策できるようになっている



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                 野生のコアラも住むそうな


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                    国立公園より



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空に雲の切れ間ができると
海は青以上に青くなり
光も色も何もかもが
海に吸い込まれていくようだった


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                   周辺のカフェ



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かつてアボリジニの隠れ家であったヌーサ
今ではすっかり白人の高級リゾート地に様変わりしたけれど
昔も今も変わらず
人々はこの美しい海岸に
安息を求め集まってきている
まるで痛んだ羽を休めるかのように

今、Eの心の隠れ家に立ち
率直に感じたのは
この地の本当の魅力は
私のような一日観光で来たものではなく
長く滞在し、この自然と同化したものでないと
わからないだろうという思い

見た目以上の
人を惹きつけてやまない
精霊ともいうべき太古からの神秘的で深い誘惑が
此処にはあるような気がしたのだ

アボリジニの言葉のやさしい響きのように



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by konekohaku | 2012-09-11 07:10 | Australia  

aus 14


幸せそうな笑顔を見るのはいいものだ
それが自分の好きな人の顔なら尚更のこと

Eが私たちの家で暮らしていたとき
オーストラリアで一番おすすめの場所ってどこ?と聞くと

ヌーサ!
絶対ヌーサよ!
サンシャインコーストにあるの!

Eは深い碧色をたたえた瞳を
きゅるきゅると煌めかせながら迷わずそう言った

パパのヨットに乗ったり
ジェットスキーをしたりするの
イルカと一緒に泳いだりもできるのよ
ゴールドコーストなんかよりずっといいんだから
ああ、〇〇〇(私の名)にも見せてあげたい


アボリジニの言葉で隠れ家を意味するというヌーサ(noosa)
遠く一人母国から離れていたEにとって
夏の休暇の間中、
毎年家族と過ごすというヌーサの記憶は
胸に秘めた宝石箱のように輝きを放っていたに違いない

紅潮した美しい顔を見ながら
Eの瞳の奥に存在する海岸を思い浮かべた
Eがこれほど幸せを感じるって場所ってどんなところなんだろう
どんな風が吹いて、どんな音が聞こえてくるのだろう・・・



行く途、昨夜ディナーをご馳走になった妹さんのお宅に寄り
そこでEのおじいさまとおばあさまに再会!
Ekkaがらみのパーティに出席しその帰りに
妹さんの家に寄って泊まられたのそうだ

どう?ブリスベンを楽しんでいる?

ええ、とっても!

この前初めてお会いしたばかりだというのに
なぜだかとても懐かしく
ここで再び言葉を交わせたのは
大変に嬉しいことだった

お二人の笑顔のお見送りを受け
いよいよヌーサへお出かけだ
私たちは姿が見えなくなるまで
車の中から手を振り続けた



ヌーサはブリスベンから約110km
rowing大会会場よりさらに北上する


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今日もママの車は弾丸のごとく爆走中
真ん中にLを挟み、私とEは後部座席に乗り込んだ

Lは車の中でPCを開いて4日後に提出期限の迫る、
assignmentをやっている
ただの宿題とは違い内申に響く大切な課題らしいが
Lには少々難しいようで800字で仕上げねばならぬところ
まだ100字にも満たない状態だった

Lはおっとりとしていて
それが彼女の最大の魅力だと私などは思うのだけれど
頭の回転が速く敏捷なEには
7つ年の離れた妹の、一から十までがイライラの原因になるらしい
勉強の進捗状況を横目で見ながら
ストレスMAX状態の顔をしている

みかねて、EはLの文章の手直しをする
先に進めるように次の文章の出だしまでタイプしてあげている
それでもLは文章を続けることができない

泣き出しそうな表情でPCを見つめているLの姿が愛おしくて
彼女の頭ごしにEに向かって「cuuuute~」と
口の動きだけで私が伝えると
Eがこれまた声を出さずに「Noooooo~!」と
思いっきり鼻の頭に皺を寄せながら否定する
ずいぶん低くぶっとい声でノォ~と言っているのが
聞こえてくるような気がしたほどだ


結局assignmentはほとんど進まず
そうこうしている内に、サンシャインコーストに近づいてきた

ヌーサの駐車場はどこも満車状態
運転手のママを残して先に私たちだけが海岸へ向かうことになった

眩しく照りつける太陽
髪を揺さぶりながらすり抜けていく風
弦楽器が何層にも重なって織りなす低音にも似た潮の音


まもなく

Eの心の宝箱に大切に仕舞ってあった海岸が
現実となって
私の前に広がり始めた





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by konekohaku | 2012-09-10 20:42 | Australia  

aus 13


朝までぐっすり眠り
すっきりとした朝を迎え階段を降りていくと
ママはもう起きていて
朝食の準備で忙しく動きまわっていた

いつもの朝の風景のように見えるが
なんとなく
様子が変だ


E、頼むわよ

はいはい、わかりましたっ
あ~あ、まったくもう!



聞けばEの15才になる弟が
風邪気味だから学校を休みたいと言っているらしい
ママは忙しいので(その原因は私たちなのだが)
かわりにEが弟を病院に連れくことになったようだ


あら、Tはそんなに調子悪いの?

Boooy! 


憮然とした表情でEは言う
この世代の男の子特有の
ずる休みだと言っているのだ


一旦車を出しに玄関の方へ行きかけたEは
わざわざ私のところへ戻ってさらに続ける


だいたいあの子は
この季節、オーストラリア中の人の喉が痛いのに
自分だけが痛いと思ってる!



プリプリと不満を漏らしていても
いつだってEはママを助けて
ちゃんと弟や妹の面倒をみるのだ
今回の滞在中、何度もそういう場面を見てきた

そんなEのことを私は微笑ましく眺めていた



フルーツを運ぶママの顔は困惑気味だ


私のお友達はね、みんなTはいい子だっていうのよ
私の前でだけ、いい子じゃないのよ


母の悩みは万国共通ですね、
二人の母親は苦笑いしながら
慌ただしく出ていく二人を見送った


朝食を済ませ、準備をして待っていると
ものの30分もしないうちに二人が帰ってきた
Eは無言で、態度だけがプリプリと怒っている


さあさ、E、機嫌を直して
あの子のことはほっといて
さっさと出かけましょう


ママに促され皆が玄関の方へ向った時
突然ブーンという掃除機の音が鳴りだした
Tが自分の部屋の掃除を始めたのだ


ほらっ!
あれが学校へも行けないほどの
病気の人間がすることだと思う?!



*******



今日はご一家が愛してやまないという場所へ行く
Eが日本にいる時
どれほどの素晴らしい別天地であるか
よく話を聞かせてくれた

その行先とは・・・



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by konekohaku | 2012-09-07 20:30 | Australia  

aus 12


Eママはとっても脚の長いスレンダーな女性だ(身長は180cmくらい?)
大きな歩幅で風切る姿が颯爽としていてかっこいい

セレブな奥様なのにまったく気取りがなく
大らかで
明るくて
心が深くて

そしてタフだ


ようやくたどり着いた駐車場
私たちは転げ込むように車に乗り込んだ

長距離をまたEママが運転

あまりご迷惑をかけないようにと国際免許も取得していったが
こんなところで私たちが運転しても
ママの神経を余計に疲れさせてしまうだろうと
私たちはいつものように
助手席、後部席に分かれて
座らせてもらった


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家に着いたころには辺りは暗くなりはじめていた


シャワーを浴びて汗を流し
ズックをピンヒールに履き替える

ブリスベン市内に住むママの一番下の妹さんが
ディナーにご招待してくださったのだ

お土産を余分に持ってきておいてよかった
どこへ伺うことになるか予定がわからなかったから
念の為に、と多めに買っておいたのだ
これにワインをつけてお渡ししよう


階下に降りるとrowingの試合から帰ってきていた
Eの妹Lがパジャマを着て待っていた


おばさんにね、お電話したの
今日は試合でとても疲れているから
ディナーから帰ったらすぐに寝たいの、
だからパジャマで行ってもいい?
って聞いたみたの


Lはしゃべり方、物腰がおっとりしていて本当に可愛い
私は目を細めながら(元々細いが)Lの話を聞いていた


そうしたらね、おばさんは
『もちろんいいわよ』
って言ってくれたの
本当に?失礼じゃない?ってもう一度聞いたら
『私だってLの立場だったら同じことをするわ』
って言ってくれたの


素敵なおばさまだなぁ
ますますお会いするのが楽しみになってきた


Eの家からは車で30分ほど
妹さん、そのご主人、娘さんが笑顔で出迎えてくださった

大きな吹き抜けの広いリビングには(我が家の5倍はありそうだ)
壁にたくさんの絵画や写真が飾られていて
どれも趣味がいい
中でもダニエル・クレイグ似のご主人が
アフリカのサバンナで撮影したという
野生動物の写真が秀逸であった

Eが主の代わりに部屋のすべてを案内してくれた
どの部屋でも広さと、内装と、清潔さに私は溜息をもらした

お部屋探検を済ませてリビングに戻ると
オーブンから出されたローストビーフが切り分けられていて
ワインを開けて食事が始まった

日本でのEの思い出話や
ビジネスの話、
(サクセスフルな人生を歩んでおられるご主人は
仕事で何度か来日されていて日本の企業のこともよくご存じだった)
ゴルフの話、
子どもたちの学校の話(結構教育熱心)・・・
口当たりのいいワインとともに
私たちの呼応も隙間を埋めるように
絡み合っていく

Eがまた
ママが今日迷子になった、と
australia zooへ向かった時の話を持ち出して
大笑いをしだした

大好きなE
そのご家族やご親戚と
今私は食卓を囲んでいる
こういう経験をする日が来ようとは・・・・
ふと自分がその場にいることが
不思議でたまらなかった

初めてお会いしたとは思えないほど意気投合し
なごやかで、洗練された時間が流れた
お名残惜しかったが
美味しいデザートを頂いた後
丁寧に感謝の気持ちをお伝えして
おいとまをした



***



早朝からノンストップの
濃い一日だった

Eママはお疲れで
さぞかしぐったりしているに違いない

と思いきや

彼女は今宵も

パーティーにでかけた!

恐るべし、ママの体力

ベッドに入ると爆睡してしまった私たち
ママが何時に帰ってきたのか
誰もしらない・・・
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by konekohaku | 2012-09-05 19:31 | Australia  

aus 11


特別コアラに興味があった訳ではなかった
観たいと思っていたわけでもなかった
australia zooへ行くこともその日の朝、知ったくらいだった

けれどもみんなに背中を押されるままにコアラを抱いた時
私は悟ったのだ

どうしてオーストラリアの動物の中で
カンガルーでもワラビーでもエミューでもなく
コアラに人気があるのか


左手を出して
そう、ここに(コアラを)乗せるから
この手でお尻をしっかりと支えてね
ほうら、あなたの腕につかまりますよ
右の手の平で背中を、そうその辺りに置いて、
やさしく抱いてあげてね


係員の導くままに腕を動かしていると
コアラはすっぽりと私の胸に納まった

おっとりとした動き
柔らかな毛
ちんまりとした身体

一匹のコアラは瞬時に私をとろけさせた
なんなんだ?この幸福感は?
この感触、
そうだ、これは赤子を抱いている時の感触だ

そうだったんだ
コアラとは
とんでもなく母性本能をくすぐる生き物だったんだ
こんなに可愛い動物がこの世にいるなんて・・・




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ママの一言で
私たちは褌を締めなおし
アフリカゾーンへ向かうことになった


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私たちの現在の位置は★
その時点で大概疲れていたので
無駄な動きは一歩たりともしたくない

こうやって地図を俯瞰して眺めていると
見当がつきそうなもんだけれど
園内はとても広くて
どのルートを進んだら最短距離で目的地へ行けるのか
ちょっと見まわしただけではわからなかった

こっちにも道路があるみたいよ、と言っても
Eとママは地図とにらめっこしながら
いや、それは違うと言う

結局私たちは
再びウォンバッドの横を通り
冷笑しながら野鳥のゲートを開けて開けて、閉めて閉めて
(2重扉になっているので一回通る度に4回開け閉めしなければならない)
また会ったねーなんて言いながらコアラのブースを横切り
さきほど通った道を引き返すことになった(水色で表示)


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そしてようやくアフリカゾーンへたどり着く

ママ、象とご対面~
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きりんもおります
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ゼブラは数匹
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ガラス張りの檻の中にいたのは虎
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チーターを散歩させているところを遠目に目撃
いいなぁ~、これ一度やってみたいんだ
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アフリカゾーンをひととおり見終わって
また地図をにらんで今度は帰る道を検討

実はこれは後で気が付いたのだが
australian zooのHPからダウンロードした上記の地図には
しっかりと書かれている車道(グレー色の道)が
園で手渡された地図には載っていなかった

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               Eとママがゲートでもらった地図


道路がそこに見えているのにEとママがその道を選択しなかったのは
地図に載っていない道を行って
出口まで戻れるかどうか確証がなかったためだと思われる

結局彼女たちが取ったのは
手元の地図にしっかりと書かれている道、つまり
もう一度同じ道を戻っていくという選択だった(ピンク色で表示)

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人間、いい人でいられるのは
肉体的にも精神的に満たされて
心に余裕がある時である

この時は皆体力が限界に来ていて
人格が破壊しつつあった

4枚×3回で実に12回も開け閉めをすることになった
野鳥ゾーンの扉にあ”~~っといらつき
あんなにcuuuuuteを連発していた道の脇にいる動物には目もくれず
無言でひたすら重い足を引きずり出口を目指した

私に至っては
あの生き物が視界に入ると
不覚にも心の中でこう、つぶやいていたのだった


またコアラかっ!




australia zoo 公式HP



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by konekohaku | 2012-09-04 19:30 | Australia  

aus 10

山の中で迷子になり
一時は私たちがAusutalia Zooに到着するのは
永久に不可能のなではないかと
絶望的観測が流れたこともあり

園のパーキングに車を置き
入場ゲートの表示を見つけたときは
皆一様に安堵感と高揚感に満ちあふれていた


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入口で園内の地図を受け取ると(実はこれが曲者だった)
Eとママはここでも行程プランを練ってくれた
地図を見ながら
何時にここへ行って
こうまわって、次はここへ
と二人で相談していた

お昼を過ぎていて皆空腹を感じていたが
時間の関係でまず真っ先に向かったのは
crocoseumと名付けられたスタジアムで行われていたショーだった

主役はかわいいコアラではなく






こいつだった!
crocodile
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丸飲み(汗)
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会場内を調教されたたくさんの鳥が飛び交い
クロコダイルも大小3匹出てきて迫力満点
パフォーマーが食いつかれないかハラハラドキドキ
なかなか面白いショーであった(ちょっと、きもいけど)




クロコダイルショーが終わると
とりあえず腹こしらえの為、隣の建物へ移動し
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遅いランチを食す
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食事を終えて触れあいのゾーンへ
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echidnas(ハリモグラ)
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意外と大きい
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kangaroo!!!
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毛はもんのすごく柔らかい
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授乳中 これは珍しい、とママ
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オーストラリアの国章にもなっているカンガルー
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セクシーやんか
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こんな道をのらりくらりと歩いていると
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木の上にコアラが 野生だとものすごい高いところにいるそうな
koala
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こちらはブース内にいたコアラ
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重い扉を開けて野鳥のゾーンへ
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kookaburra!
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こっちむいてー
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野鳥ゾーンの檻の重い扉を閉め再び外へ出る
wombat
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サインが面白いね
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alisonとは
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この子のことだった
alligator
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一周してエントランス付近へ戻った
ここから横道に迂回しさらに動物を見て歩く
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tasmanian devil
ひと時もじっとしていない
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iguana
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cassowary ダチョウのように大きい鳥
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ここにもコアラゾーンが
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一通りのオーストラリアを代表する動物たちを見て歩いた後
私たちは再びお昼を食べた建物へ戻った
そこでお土産を買い
Eや主人に煽られコアラを抱っこして写真を撮ってもらう(有料)

ちなみに州によってはコアラの抱っこは法律で禁じられているとのこと
クイーンズランド州はOK

さて、この時点で私たちは広大な園内のメイン道路を約1周半しており
足も痛けりゃ、身体もヘロヘロであった
気温はぐんぐん上がってきて
私たちの体力の消耗を加速させていた


どうする?アフリカゾーンへ行く?
象とか虎とかがいるだけなんだけど?


私たちがいる場所からアフリカゾーンまでは
相当な距離があった


★が現在位置
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Eも疲れたようで
やめとかない?といったニュアンスが言葉の端々に感じられる

私たちは何よりEママのことが心配であった
昨夜は夜中の1時過ぎに帰宅し
今朝は5時前には起きていたと思われる
仮眠程度しかとっていない彼女は私たち以上に疲れているだろう
こんなに案内してもらったのだからもう十分である


うん、アフリカの動物は日本でも見ることができるから
私たちはもういいよ
帰りましょうか


私のその言葉にEが微笑んだとたん

ママが驚きの一言を発した




いやん!私は象が観たい!




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ママ以外の人の顔に一瞬こんな表情が浮かんだのを
私は見逃さなかった・・・
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by konekohaku | 2012-09-03 21:28 | Australia