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韓国旅行 2014.7



いつかは訪れてみたいと思っていたお隣の国、韓国。
先日初めて観劇目当てに旅をした。


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聞きしに勝る高い完成度の韓国ミュージカル。
豊かな表現の上に圧倒的な声量が合わさり(マイクの音量も大きいような気がした)パワフルなことこの上ない。

どこの会場も客層が日本と異なり若い世代が多い。当然熱気も違う。
町には映画のポスターではなくミュージカル作品の広告が溢れ
この国にミュージカルが文化として根付いていることをひしひしと感じた。
ファンの端くれとしては羨ましい限りだ。

観劇に際しては言葉が理解できないところがツラかった。
客席とのやりとりがあるものよりは舞台上で完結している作品の方が予習さえすれば問題なく楽しめるように思ったので今後はその点に留意して作品を選択しようと思う。


2泊3日の滞在で観たのは次の3本。
自分メモ用に感想を手短に。




【モーツァルト!】

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モーツァルト: パク・ヒョシン
コンスタンツェ:キム・ソヒャン
レオポルト・モーツァルト:パク・チョルホ
コロレド大司教:キム・スヨン
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:シン・ヨンスク
マリア・アンナ・モーツァルト:イム・ガンヒ
@世宗文化会館

モーツァルト、その父、男爵夫人の素晴らしいことったら。艶やかな声に確かな歌唱力。鳥肌モノだった。
日本で観たときはそう心動かされることのなかった作品だったが(だからほとんど記憶に残っておらず)今回初めてなかなかいい作品だったんだなと思えた。
ただ才能=アマデの存在があるのだからやはりあの「箱」は要らんのでは?
あれが嘘っぽいからこの作品があまり好きになれなかったことを思い出した。
新演出だったが舞台美術もシック&シンプルで、今流行りの映像の使用もなく好印象。
このキャストならもう一回観たいほどに感動。



【プリシラ】

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キャスト
バーナデッド:チョ・ソンハ
ティック:マイケル・リー
アダム:キム・ホヨン
@LGアートセンター


韓国初演。キャストの皆さん、歌えるし芸(ゲイ?)達者。
バーナデッド役のチョ・ソンハさんは映画やテレビで大人気の方だそう。彼、とってもよかった。
3人の女性コーラスの人たちの歌もど迫力で聞き応えあり。演出はBW版と同じとのこと。
これでもかというほど奇抜な衣装が登場し、私世代にお馴染みの歌も次々と流れノリノリで楽しい。しかしエラそうな物言いながら演出にはまだまだ改善の余地がありそう。



【ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ】

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キャスト
ヘドウィグ:キム・ダヒョン
イツハク:チョン・ヘソン
@ベガムアートホール

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オリジナル演出を体験できるとあって楽しみにしていた作品。
客席は若い子ばかりで中年は私たちと少女に付き添っている母親らしき人くらい。
それもそのはず、オリジナル版は舞台と客席との精神的敷居はもはや存在せず、ヘドウィグは極端に身近に感じられ(客席降りも多い)、彼の痛みや叫びに一体となって共感するさながらロックコンサートのようだった。
極端な言い方をすれば一緒に盛り上がりたい人が観るべき作品のような印象さえ受けた。
国が違うので比べるのもどうかと思うが、この春観たオン・ブロードウェイでの新演出はオリジナルの持つ閉鎖的イメージや尖った部分は緩和され、一般ウケするように作りかえられていた。オリジナルのコアなファンは消化不良を起こしていたかもしれないと今更ながらに思う。

ヘドウィグ役のキム・ダヒョンさんはハンサムで女装姿が美しいこと半端ない。
歌も演技も上手くその上パワフル。
彼は1ステージでいったいどれほどのエネルギーを消耗するのだろう。
ただオリジナルヘド(ジョン・キャメロン・ミッチェル)のような繊細さや異質感には欠けていたように感じた。

イツハク役のチョン・ヘソンさんの歌も凄かった。
彼女は薄い付け髭をしていたもののメイクも髪型も女性に見えたので、男性しか愛せないヘドウィグの気を惹くために男装&男として振る舞う→ヘドには別の、意中の人が存在し自分へは愛情が向けられないことに苛立ちを覚える→(ヘドウィグの再生)→無理していた自分(とヘドウィグ)からの解放→本来の女性の姿へという流れに見えた。
作品の本質からいって「一人の完成した人間」であることに気付くことが重要であるのだからイツハクの性別はどっちでもいいということなのかもしれない。
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by konekohaku | 2014-07-22 20:03 | 韓国  

The Audience



TOHO系の映画館で上映されている、英国ナショナル・シアター・ライヴ「ザ・オーディエンス」を観に行った。 

おなじみの英国首相やエリザベス女王の佇まいが再現されるだけでも楽しい上に、セリフの応酬を通して彼らの人となりが次々に顕在化し、非常に面白いお芝居だと思った。
どこまでも品格よく、どこまでもシリアスな内容でありながら、一級の俳優たちによるウィットに富んだ台詞とシンプルに練られた演出に会場からは何度も笑いが起こる。
大人の上質な芝居とはこういうものを言うのだろうと、まるでロンドンのギールグッド劇場の末席に座っているような(映画館で一番後ろの列を選んだから)感覚で、生の舞台を観ているが如く職人芸に陶酔してしまった。「対話」が主役な作品であるから、臨場感をもって字幕付きで鑑賞できるのは尚更に有難い。

オーディエンスとは「謁見」のこと。
首相たちは様々な報告や今後の予定などを、時に私事を交えながら女王に伝える。
歴代首相とエリザベス女王の間で、途切れることなく行なわれてきたこの「オーディエンス」、首相の一任期中に70回ほど行われるそうだ。



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入れかわり立ちかわり登場する首相たちに対し、女王は「いつもそこにいる」(劇中のセリフから)。
髪型や服装、その姿は年齢に応じてランダムに変化していくが(舞台上での早変わりもあり、これがお見事)その「存在」と「耳を傾ける行為」は、舞台の背景となっている宮殿の謁見室の内装ともに変わることがない。
即位から現在に至るまでの長きに渡ってイギリスを治め続けてきたという時間の重みを視覚的に実感できるというわけだ。
チャーチルからキャメロンまで首相の数は12人(登場するのは半分くらい)。
相手が変わらないが故に、各人の個性や女王陛下との相性の違いが役者の力量もあって明確に浮かび上がる。


幕間にこの作品の脚本家ピーター・モーガン(映画「クィーン」、「フロスト/ニクソン」もこの人)のインタビューシーンがあったのだが、その中で彼は女王と首相との関係はセラピストと患者のようなものだと語っている。(女王の方が患者側になることもあり。)
椅子に座って変わらず「対話」をし続けること。そこから生み出される対立や役目を越えた心の絆。多少峻嶮に捉えていた女王の印象がこの作品で変わってしまった。

演出は「リトルダンサー」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」などで有名な名匠スティーブン・ダルドリー。主演はヘレン・ミレン。彼女は映画「The Queen」でオスカー、この「The Audience」でローレンスオリビエ賞と、どちらもエリザベス女王を演じることで主演女優賞を獲得した。

少女エリザベスによって語られた女王の本音の部分、時折見せる沈吟の様、終盤のウィルソン首相とのエピソードにはほろりと。

映像化によりこういう海外の名舞台に触れる機会が今後増えることを切に願う。

wiki:
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Audience_(2013_play)
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by konekohaku | 2014-07-02 19:57 | movie・theater  

2014年6月分


先月観たものの感想などをざっと。


【オーシャンズ11】
同名映画の舞台化。
この手のものがあまり好物ではないので、原作の映画も宝塚版も観たことがないのであった。
一幕はほぼ出演者の紹介だけで終わり、2幕に入り11人が協力して悪役から現金(と彼女)を奪う。なんだ泥棒さんの話だったのか。

最前列の席だったので出演者がよく見えた。
香取慎吾君と観月ありさちゃん(おばちゃん的呼び方で失礼)はミュージカル畑の人でないので舞台で観ると若干違和感が残る。
観月ありさちゃんのスタイルのよさは想像以上。ぺたんこ靴で登場しても小顔の宝塚の男役が高いヒールを履いたくらいの腰の位置だ。脚がきれい~。
橋本さとしさんがさすがの安定感で目立っていた。
あと山本耕史さん、坂元健児さん(役にぴったんこで爆笑)、霧矢大夢さんなど。
@東急シアターオーブ



【シスターアクト】
映画「天使にラヴ・ソングを・・・」の舞台版。
数少ない私の日本でのミュージカル観劇経験の中で最高に楽しい!!!と感じた舞台。特に1幕。ストーリーはさておき楽曲がいい。
主役のマリア役は瀬奈じゅんさんと森久美子さんのダブルキャストで私が観たのはもりくみさんの方。持ち前の明るさと大らかさが役にぴったり。もちろん歌も◎。
キャストが皆さん素晴らしい。
おとなしくて純真なシスター・メアリー・ロバートを演じたラフルアー宮澤エマさんは、宮澤喜一元首相の孫!その先入観を吹っ飛ばすほどに歌えるのには驚いた。
「ミュージカル」を楽しみたい人には超おすすめな作品!
@帝国劇場



【市川猿之助・中車 襲名披露興行】
◆演目
一、太閤三番叟(たいこうさんばそう)
二、襲名披露 口上(こうじょう)
三、一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)

口上の時何が可笑しかったのかわからないけれど、出演者が観客に向かってひれ伏しながら肩を震わせ笑っていた(正確には笑いを押し殺すのに必死の様子だった)。特に亀治郎改め猿之助さん、笑いすぎやろ(笑)。
中車さんはもちろん歌舞伎役者としては少し浮いて見えるけれども、色んな事情があるにせよ、この年齢でこの世界に飛び込みここまで演じられるのはすごいことだなぁと思った。
猿之助さんのお蔦が色っぽかった~。
@尼崎アルカイックホール



【Kバレエカンパニー ロミオとジュリエット】
格調高く組まれた蒼い色調の背景の中でのバルコニーシーンの美しいことったら。いやもううっとり。
ジャンプの高さに衝撃を受けた数年前の熊川さんの姿は今回も観ることができなかったけれど(年齢か、または怪我を避けるためあえて封印されているのかもしれない)、ほんまにジュリエットが好きなんやねオーラ(?)を全身で表現されていたのはさすが。
そしてジュリエットを演じたロベルタ・マルケスさんは少女そのもので可憐だった。
欲を言えばジュリエットの仮死状態をもうちょっとしつこく表現してほしかったかな~。これは振付の問題でもあり。アレッサンドラ・フェリのあのシーンでのジュリエットがあまりに好きなのでどうしても比べてしまう。
今回も良席でパフォーマーの動きの隅々まで、オペラグラスなしで堪能できたことに感謝。
@フェスティバルホール



【宝塚雪組公演 一夢庵風流記 前田慶次・My Dream TAKARAZUKA】
正直宝塚のお芝居の方はどうも入り込めなくてもう男役さんしか観ていないのだった。
今回はトップコンビの壮 一帆さん、愛加 あゆさん、脇できらりと光る「まっつ」こと未涼亜希さんの退団公演だ。
まっつさんは歌えるし独特の存在感があるし、辞めはるの勿体ないなぁ。

ショーは奇を衒わず古き良き時代の宝塚を思わせる内容。友人の話だと演出家の中村一徳さんの作品はいつもこんな感じで、そのいい意味でのワンパターンさが魅力なのだと。すごくよくわかる。
次期トップに決まっている「ちぎちゃん」こと早霧せいなさんの華と煌めきに目が離せなかった。
@宝塚大劇場
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by konekohaku | 2014-07-02 19:43 | movie・theater