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Colm Wilkinson Broadway and Beyond Japan



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多くの方が既にその魅力について語っておられるので簡単に。

コルムさんを介すると耳慣れた楽曲もまるで生命体のように様々な表情を見せはじめ、その歌には声がいいとか技術的に優れているとかそういった表面的なものを超えた、例えばこれまでコルムさんが役作りに費やしてきた時間や全人的な何かが確かにあり、多くのパフォーマーからリスペクトされている理由が今回ようやくわかったように思いました。
表現においては歌手としてのコルムさんより役者としてのコルムさんを強く感じた次第。

Bring Him Homeはややもすると文字通り喉自慢になりがちで、俺の歌を聞いてくれ!的に歌ってしまうパフォーマーが多いように感じていたのですが、今回はバルジャンがまさに神に祈りを捧げている、その姿を少し離れたところから目撃した、そんな気持ちになれました。



曲目(コルムさんのみ)
Music of the Night
Tennessee Waltz
Folsom Prison Blues
House Of The Rising Sun
Danny Boy
This is the Moment
Man of La Mancha
The Impossible Dream
Anthem
Hallelujah
Mama Don't Allow
Get Back
She's Leaving Home
Hey Jude
Imagine
Bring Him Home


出演
コルム・ウィルキンソン
アール・カーペンター
スーザン・ギルモア
則松亜海
@梅田芸術劇場
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by konekohaku | 2015-04-29 06:18 | movie・theater  

満月の人よ


先週トムプロジェクトによる「満月の人よ」を観に行った。


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作・演出/東憲司
出演/村井國夫 山崎銀之丞 藤澤志帆 岡本麗
@池袋あうるうぽっと


天狗伝説の残る貧しい山村、
独り暮らしの老いた鳥もち職人の元に
27年前男と蒸発した妻が突然帰ってくる。
真相を知りながらも「神隠しからお天狗様が妻を戻してくれた」と喜ぶ老人。
知らせを聞いて帰省したものの、母をなかなか受け入れられない息子。
自分の存在を消してしまいたいと神隠し伝説に導かれるように迷い込んできた女性。

いつものダンデイさはどこへやら、
人生に予期せず起きた出来事を大きな懐で受け入れる、人のいい老人を演ずる村井さん。
そんな過去を持ちながらも屈託ない底抜けの明るさと気風のよさで周りを魅了する妻役の岡本さん。
ふてくされながらも抜群のユーモアとタイミングで絡んでくる息子、山崎さん。
3人の絶妙な掛け合いに客席からは始終笑い声が。

日本の役者さんのレベルの高さよ。なんて良質な舞台なんだ!

訳ありの女性を演じた藤澤さんも清涼剤のように爽やかでとてもよかった。

再会の喜びに溢れた満月の夜、「お天狗様、もう誰も隠さないで」と懇願する姿に
それまでの老人の壮絶な「孤独」をみた。
老人の背には紐帯の重みを浮かび上がらせるかのようなまん丸なお月様。
うーん、なかなかいい作品だったよ。
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by konekohaku | 2015-04-28 06:47 | movie・theater  

Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)



『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を観ました。


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ストーリー:
かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。
~シネマトゥディより


内面の抑圧や混迷を暗示するかのような狭く入り組んだ舞台裏、
途切れのない時間を示すワンカット仕立て、
精神状態にリンクし効果的に流れる音楽、
超自我の顕在化であるバードマンの存在。

驚くほど面白かった!

随所にパロディを織りこんだブラックコメディでありながら(エドワード・ノートンが殴られるのを久々に観たw)、奇妙なSNS社会VS生身の人間、演者VS批評家、ドラムVSオーケストラ、(流れの上での)対立VS共鳴など、コントラストと緩急のつけ方が見事で詩的なんですよね。
カーヴァーの短編『愛について語るときに我々の語ること』が作品の芯に据えられている上に
シェークスピアの台詞(ちゃんとオチつき)や、チャイコフスキー5番などの美しいクラシック音楽がスパイスになっていることは間違いないでしょう。

主役を演じたマイケル・キートン、あの演技でオスカーを逃したとは。
エディ・レッドメインも素晴らしかったですが、私ならキートンさんに票を入れます。
そしてエマ・ストーンがやはりいい。
彼女の魅力はどんな汚れ役を演じても透明感が失われないところ。
ほんと好きだわ、あの女優さん。

しかし最近、観る側の力量を試されるような作品が増えてきましたね。
2年前オスカーを受賞した「アーティスト」などもそうでしたが
この作品はまさにといった感じでした。
まあ名作というものはいつの時代もそうなのかもしれませんが、いつまでついていけるやら、、

そうそう、長回しに見えたカメラワークも最後に明確な意図をもって一度切られます。
その後のシーンをどう解釈するか?
あの笑顔の意味は?

ビシバシ飛んでくる才能の矢に相当射抜かれました。
まだちゃんと把握できていない箇所もあるのでもう一度観たいです。
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by konekohaku | 2015-04-21 07:40 | movie・theater