aus 11
特別コアラに興味があった訳ではなかった
観たいと思っていたわけでもなかった
australia zooへ行くこともその日の朝、知ったくらいだった
けれどもみんなに背中を押されるままにコアラを抱いた時
私は悟ったのだ
どうしてオーストラリアの動物の中で
カンガルーでもワラビーでもエミューでもなく
コアラに人気があるのか
左手を出して
そう、ここに(コアラを)乗せるから
この手でお尻をしっかりと支えてね
ほうら、あなたの腕につかまりますよ
右の手の平で背中を、そうその辺りに置いて、
やさしく抱いてあげてね
係員の導くままに腕を動かしていると
コアラはすっぽりと私の胸に納まった
おっとりとした動き
柔らかな毛
ちんまりとした身体
一匹のコアラは瞬時に私をとろけさせた
なんなんだ?この幸福感は?
この感触、
そうだ、これは赤子を抱いている時の感触だ
そうだったんだ
コアラとは
とんでもなく母性本能をくすぐる生き物だったんだ
こんなに可愛い動物がこの世にいるなんて・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ママの一言で
私たちは褌を締めなおし
アフリカゾーンへ向かうことになった
私たちの現在の位置は★
その時点で大概疲れていたので
無駄な動きは一歩たりともしたくない
こうやって地図を俯瞰して眺めていると
見当がつきそうなもんだけれど
園内はとても広くて
どのルートを進んだら最短距離で目的地へ行けるのか
ちょっと見まわしただけではわからなかった
こっちにも道路があるみたいよ、と言っても
Eとママは地図とにらめっこしながら
いや、それは違うと言う
結局私たちは
再びウォンバッドの横を通り
冷笑しながら野鳥のゲートを開けて開けて、閉めて閉めて
(2重扉になっているので一回通る度に4回開け閉めしなければならない)
また会ったねーなんて言いながらコアラのブースを横切り
さきほど通った道を引き返すことになった(水色で表示)
そしてようやくアフリカゾーンへたどり着く
ママ、象とご対面~
きりんもおります
ゼブラは数匹
ガラス張りの檻の中にいたのは虎
チーターを散歩させているところを遠目に目撃
いいなぁ~、これ一度やってみたいんだ
アフリカゾーンをひととおり見終わって
また地図をにらんで今度は帰る道を検討
実はこれは後で気が付いたのだが
australian zooのHPからダウンロードした上記の地図には
しっかりと書かれている車道(グレー色の道)が
園で手渡された地図には載っていなかった
道路がそこに見えているのにEとママがその道を選択しなかったのは
地図に載っていない道を行って
出口まで戻れるかどうか確証がなかったためだと思われる
結局彼女たちが取ったのは
手元の地図にしっかりと書かれている道、つまり
もう一度同じ道を戻っていくという選択だった(ピンク色で表示)
人間、いい人でいられるのは
肉体的にも精神的に満たされて
心に余裕がある時である
この時は皆体力が限界に来ていて
人格が破壊しつつあった
4枚×3回で実に12回も開け閉めをすることになった
野鳥ゾーンの扉にあ”~~っといらつき
あんなにcuuuuuteを連発していた道の脇にいる動物には目もくれず
無言でひたすら重い足を引きずり出口を目指した
私に至っては
あの生き物が視界に入ると
不覚にも心の中でこう、つぶやいていたのだった
またコアラかっ!
australia zoo 公式HP
by konekohaku | 2012-09-04 19:30 | Australia